・日記
Vaundyのことを以前から「なんでも器用にできてよござんすなあ」と思っている。それに加えて、新しいアルバムをちょっと聴いて、インタビューをちょっと読んで、自分で打ち立てた仮説が先行したものづくりをしてそうだなと思った。《オリジナルはレプリカの来歴から生まれる》→《だから俺はオマージュを躊躇わない》みたいな。わからんけど。逆では？「俺はあれがかっこいいと思うから真似るぜパクるぜ」と息巻いて作り上げたものからそれでもはみ出る異物感こそをオリジナリティと俺は呼びたい。Vaundyのオマージュは丁寧にリプロダクトしてる感覚はあるがはみ出てくるものが薄い気がする（ちょっとしか聴いてない癖に偉そうに……）。ただVaundyの語る仮説には強度があり、それを自身で曲を作りヒットをぶちかますことで実証し裏付けているので相当腕のあるクリエイターなのだと思う。カラオケで歌いやすそ〜っていうのも、みんなで口ずさめる〝ポップス〟を引き受けていると言えるのかもしれない。なんにしてもかなり〝インターネット時代の申し子〟という感じがする。自分のやっていることや物事の仕掛けに自覚的であることを重要視する今の風潮と彼の活動は重なって見える。まあ俺は「なんでも器用にできてよござんすなあ」と思ってるけど。
なんも考えずに聴いてたら普通に良い曲というのがまた憎たらしいんすよね。え〜なんかこれ売れそうな曲じゃ〜んと他人がかけてる曲調べたら「怪獣の花唄」だった時の気持ち。もう売れまくっとるがな。無関心ではいられないのがズル……いやあんだけ喧伝されてたら嫌でも目に耳に入ってきますわ。俺は「なんでも器用にできてよござんすなあ」と思ってるけど！
〝replica〟ってテーマなんか既視感あるなと思っていたけど米津玄師が〝BOOTLEG〟をだいぶ前にやっていたことに気付き、ここまでの自分の文章全部どうでもよくなりました。俺にとってポップミュージックの枠には米津玄師がいるからそれで良い。米津さんはやくB面集出してくれませんか。
それと最近凛として時雨の『still a Sigure virgin?』にハマっています。年始にModel/Actrizを聴き、それからTHE NOVEMBERSにハマり、少し前にSPOILMANをちょろっとかじったんですが（アルバム注文したので届いたらもっと聴く）、自分の中でこれらは同一線上にあるんですね。基本どれも金属的な冷たさと絵画的な鮮やかさを併せた破壊的ロマンチシズムがある。凛として時雨のこのアルバムにもそれを感じていて、なおかつメロディのキャッチーさも備わっているもんだから、「このラインが今の自分にはフィットするのかな」という感じがする。そこから歌モノに振っていくか、実験的な感じ？ポスト・パンク？いまだによく分かってませんがそういう音楽に振っていくかで、今の自分は後者に向かいたい、という気持ちがあるので、時雨の別のアルバムを買うのではなくSPOILMANを買ったのであった。めちゃめちゃ手探りです。
それとはまったく別軸でBIGMAMAの新曲を聴いて「うわかっこいい！！！優勝！！！」と思ったのでBIGMAMAも新しいのと古いのを一枚ずつ買った。昔はちょっと洒落臭いなと思っていた曲もすっかり素直に聴けるようになった。音楽的好奇心で聴くのが時雨やSPOILMANならば、BIGMAMAのようなバンドはいつでも帰って来れる場所。結局俺に一番必要なのは歌モノギターロックなのだ……。できればちょっとシュッとした感じの……。
あとLUNKHEADもサブスクで少しずつ聴いてます。フォロワーが好きと言っていたので。高校生の頃に聴いていたらどハマりしていたに違いないと思う。（今聴くには歌詞が青いし全体的に懐かしさの方が勝るか……？）と最初はちょっと思っていたが、気付いたら頭の中で「ENTRANCE」がよくリフレインしている。そのうち当たり前のように好きなバンドの一つに挙げてそう。
それと「WORLD IS MINE」とか斑鳩ルカっぽいなと思いました（隙あらばイメソンオタク）。
最近聴いてる音楽の話でした。
冒頭Vaundyを思いっきり腐すところから始めてしまったのですが、今気に入ってないということはいずれ気に入る可能性があるということだとずっと思っており、数年後にはVaundy最高やんけ〜とか言ってるかもしれません。そう言うのってたった一曲気に入るかどうかでひっくり返ったりするので。なんなら米津さんも『diorama』リリースの頃は一ミリも関心なかったしちょっと距離を取っていた気がする。
最近といえばMyGO!!!!!の『迷跡波』もいいですね！04 Limited Sazabysと並べて聴いています。フォーリミの「Terminal」がMyGO!!!!!のことを歌っていると俺の中で話題です。フォーリミも昔は（あ〜〜〜しゃばいしゃばいwwwww）と思ってました。手のひら返しまくってる。一度定めた評価を貫く必要なんかねえ。
