20240221_にちか

・日記

七草にちかのこと、好きだしかわいいとも思うけど、わりと同じくらい憎たらしくも思うし、ガキだとも思うし、そう思う俺はどうなんですか?と矢印が俺に向くので、なんかこう、七草にちかのことをヒロイン的に可愛いと思ったりしようものなら、俺は俺自身への視線を一つ捨てることになりかねず、それは無様で情けないことだと思っている節があり、そもそもにちかに鼻の下伸ばせるかと言われるとまったくそんなことはないのでヒロインとして捉えたことはないんですけど、まじで、例えば緋田美琴でスケベな妄想することはあってもにちかはまじでできなくて、そもそもヒロインとしてタイプではないんですけど、さておき、そういう風に思おうとすること自体が俺にとっては俺自身に敗北するようなもので、なんかこう、七草にちかを「かわいい」と、鉤括弧ついてる意味分かりますかね、そもそもかわいいって力関係の不均衡さを孕んでいると思うんですけど、対象に対して、自分との関係性において「かわいい」と思うことってその不均衡さによる部分が大きいと思っていて、それは歯を食いしばって生きてる七草にちかに対する冒涜だと俺は思っていて、舐めんなよと、にちかが死に物狂いだったり、自暴自棄になったり、憧れとの距離に打ちひしがれていること、それを思えば思うほど、本気である人に対して安全圏から「かわいいね」なんて言えるわけもないし、俺がにちかに対して「かわいい」と言った瞬間に「お前は本気で生きてるんですか?」という問いが突き刺さるし、というかそれを分かっていて無視しながら「かわいい」と言うことになるので、それはやっぱり無様なんですよね、にちかが頑張ってる間は「かわいい」って正直言いたくなくて、でもにちかは言いますよね、「言ってください、可愛いって」って、その時だけなんですよ俺がにちかに「かわいい」と言うことが許されるのは、背中を押すための「かわいい」、そこにいるにちかを認めるための「かわいい」、にちかがにちか自身を信じるための「かわいい」、でもその時俺は思っているんです、俺は「つよい」って言いたい、「やってやれ」って言いたい、「ひっくり返してやれよ」って言いたい、そこで俺はにちかに対して何かを託すような気持ちを抱いていることにようやく気付くんです、ああ、七草にちかって俺にとっての“ロック”なんだなあと。